大人が子どもたちに絵本を読み聞かせている場面

この記事の要点

読み聞かせは完成した本を届ける方法であり、制作途中の見直しにも役立ちます。実寸の見本を使い、声・絵・めくる動きを一緒に確かめましょう。開催や寄贈は、園や図書館など受け入れ先の方針を確認します。

完成前に実寸の見本を声に出して読みます

絵本は、文章だけでなく絵を見る時間やページをめくる動きでも伝わります。原稿を画面で読むだけでは気づきにくい点を、読み聞かせで確かめられます。清書や印刷を終える前に、完成する本と同じ大きさの見本を用意しましょう。

最初は自分で声に出し、次に別の大人に読んでもらうと、言いにくい言葉や迷う区切りが見つかることがあります。何度も読んで覚えている作者には自然でも、初めて読む人には主語や場面の切り替わりが分かりにくい場合があります。

子どもに聞いてもらう場合は、正解を答えさせる場にしないようにします。どの絵を見ていたか、どこでページを戻したがったかを観察します。反応が少なかったという理由だけで、その場面が伝わっていないと決めつけないことも大切です。

めくる間は文章の終わりと次の絵をつなぎます

ページをめくる前には、言葉が終わってから次の絵が見えるまでの間があります。驚きを見せたい場面なら、次のページを先に説明しすぎていないかを確かめます。落ち着いて眺めてほしい場面なら、絵を見る余裕があるかを見ます。

見開きの途中で読む位置が分からなくなったら、文字の配置や文の長さを見直します。どの絵に対応する文なのか、目線の移動と物語の順序が合っているかを確認してください。絵本の文章とページ割りを一緒に考えると直しやすくなります。

修正する前に、気づいた箇所をページごとに記録します。「読みづらい」だけでなく、「めくる前に息が続かない」「次の場面の説明をここで読んでしまう」など、起きたことを書きます。文を削る、位置を変える、絵で補うといった方法を選べます。

文字の大きさと絵の見え方は離れた位置でも確かめます

読み手にとって読みやすい文字の大きさと、聞き手にとって見やすい絵の大きさは別に確認します。本を持ち上げた姿勢で文章を読み、手で文字や絵を隠していないかを見ます。読みにくさを補うために本を自分へ向けすぎると、聞き手には見えなくなります。

確認する位置見たいこと修正の候補
読む大人の位置文字を無理なく追えるか文字の大きさ、行の区切り、背景
近くで聞く位置顔や動きが伝わるか絵と文の重なり、手で隠れる部分
離れた席主役が背景から見分けられるか絵の大きさ、輪郭、色の明るさ

照明が紙に反射して絵が見えなくなる場合もあります。判型だけでなく、光沢や開きやすさも確認します。細部を見せたい本を大勢へ読むなら、会場や座る位置の工夫で伝わり方が変わることもあります。

園・図書館・イベントでは会場に合わせて相談します

完成した絵本を読む機会を作りたい場合は、園、図書館、イベントの担当者へ相談します。対象とする読者、物語の内容、本の大きさ、読む時間の見込みを伝え、会場の方針に合うかを確認します。自作の本であっても、開催を受け入れるかは相手の判断です。

当日は、座る場所、明かり、聞き手との距離、本を置く位置を確かめます。大きな音を使う演出や参加を求める進め方を考える場合も、会場や参加者に合うかを相談してください。声に出して読むことだけで伝わる形も選べます。

録画や配信を行う場合は、共作者や依頼イラストの利用範囲、参加者が写ることへの了解も確認します。本を読むことと、その様子やページの画像を公開することでは確認する点が変わります。著作権と共作も参照しましょう。

図書館への寄贈は受け入れ方針を確認してから送ります

寄贈は、本を無償で届ける方法です。ただし、図書館へ送った本が必ず蔵書になり、棚へ並ぶとは限りません。受け入れの基準や手続きは各館の方針を確認します。先に本を大量に送らず、相談窓口を調べて問い合わせましょう。

相談するときは、書名、著者、内容、対象とする読者、判型などを伝えます。必要な書類や本の見本、寄贈後の扱いについて案内があれば、それに従います。園や教室へ贈る場合も、保管や利用が可能かを担当者へ確認してください。

受け入れが決まった分を配布先リストへ記録し、届ける方法と時期を決めます。読み聞かせで気づいたことは、次に作る絵本や増刷時の見直しにも役立ちます。感想の紹介をしたいときは、名前や言葉を公開してよいかを本人へ確認してから使いましょう。

出典・参考

届け方で迷ったら、相談窓口へ

販売や寄贈の希望、権利について気になる点を整理し、依頼前に相談しましょう。