この記事の要点
判型は本の仕上がりの大きさです。読み聞かせか手元で読むかを考え、実寸の紙で試しましょう。原画を描く前に縦横の比率を決めると、絵を切り取ったり余白を足したりする変更を減らせます。
A5・B5・A4は読む場所と絵の細かさで選びます
判型とは、閉じた本の仕上がりの大きさです。絵本では大きさが変わると、人物の表情や文字の見え方も変わります。まず「膝の上で一緒に読む」「園で前から見せる」など、読まれる場面を思い浮かべます。
| 判型 | 向いている使い方の例 | 実物で確かめること |
|---|---|---|
| A5 | 手元で眺める本、持ち歩く贈り物 | 絵の細部や文章を小さくしすぎないか |
| B5 | 絵と文章をゆったり配置する本 | 開いたときに無理なく持てるか |
| A4 | 大きな絵を見せる本、読み聞かせ | 重さ、本棚やかばんへの収まり |
大きな判型でも、絵の中の主人公が小さければ遠くからは見分けにくくなります。用紙を候補の大きさに切り、同じ場面を置いて比べます。机の上だけでなく、手で持ったときの見え方も判断材料になります。
正方形と横長は見開きの広がりを生かせます
正方形は、丸いものや中央に置く主人公を見せる構図にも使えます。縦長の原画を正方形へ変える場合は、上下を切るか左右を補う必要があります。形の印象だけで決めず、物語の中心となる場面を試しに配置してください。
横長にはA4横・B5横などがあります。風景や横へ進む動きを描きやすい一方、左右のページを広げるとさらに横へ長くなります。読み手が本を支える手の位置や、隣の聞き手からも見えるかを確かめましょう。
本の中央の綴じ目は「ノド」と呼びます。横へ連続する絵でも、顔や大切な文字をノドに置くと見えにくくなる場合があります。製本の選び方と合わせて、開き方まで考えます。
読み聞かせでは離れた席から実寸の見本を見ます
読み聞かせ用の絵本は、読む大人と聞く子どもで見る位置が違います。完成予定の大きさで絵と文字を紙に出し、実際に本を掲げる姿勢で確かめます。離れた場所にいる人にも見てもらうと、背景に埋もれた人物や細い線に気づけます。
絵を見せながら読める文字の位置も大切です。文章を追うために本を自分の方へ傾けると、子どもから絵が見えなくなることがあります。文字を大きくするほか、文を短くする、背景との明るさの差をつける方法を試します。
見本をめくる間も含めて読み、横長の本を支えられるか、紙が垂れないかを観察します。判型だけで解決しない点は、紙の厚さや絵の配置も変えて検討します。
過去の制作例には厚紙・正方形・横型があります
過去の制作例では、『あかちゃんいるよ!』がA5判変型の厚紙製本です。変型とは定型の寸法から変えた形を指します。名称だけで同じ大きさだと思わず、見積もりには仕上がり寸法を伝えます。
『大人の絵本 Looking for myself サガシニイコカ』は、縦横ともに210mmの正方形です。『すっぴん』は新書判を横型にした本で、開くと横へ広がります。『ひかり』は縦175×横148mmで制作されています。
これらはそれぞれの作品に合わせた過去の仕様です。現在同じ仕様で作る場合の対応や費用は、あらためて確認します。自分の絵に合う形を考える参考として見比べてください。
料金は判型以外の条件と合わせて比べます
お手軽出版ドットコムのA5の例「格安で」は約22万円で、仕様はソフトカバー A5判・本文カラー 24ページ・流通なし 100部・完全データ原稿・カバーなし・表紙カラーPP加工・装丁は自分で作る・校正刷り1回です。B5の例「よくある形で」は約70万円で、ハードカバー B5判・本文カラー 24ページ・Amazonで販売 300部・手描きの原画・スキャニング13点・レイアウトを依頼・装丁は自分で作る・校正刷り2回という条件です。
製本や部数、原稿の状態も違うため、この差を判型だけの差額としては使えません。費用と料金例で条件をそろえ、希望する形で見積もりを取ります。
大きさは保管や発送にも関わります。本棚の奥行き、収納箱、梱包後の重さや送料まで考えて選びます。原画は仕上がりと縦横比を合わせるのが基本です。原画サイズ計算で比率と塗り足しを確認し、描き込む前に判型を固めましょう。