ノートに書いたお話のメモと小さなラフスケッチ

この記事の要点

お話は、主人公が何を望み、行動の後に何が変わるかを軸に組み立てます。決まった型に合わせるより、めくる楽しさと結末のつながりを、ラフと読み聞かせで確かめましょう。

お話の芯は最後まで追いかけたくなる問いです

書きたい出来事を集めたら、この本を通して読者が何を知りたくなるかを考えます。「なくしたものは見つかるだろうか」「声をかけられない主人公はどうするだろうか」など、最後まで追いかけられる問いがお話の芯になります。

テーマを「友情」と置くだけでは、場面を選びにくいことがあります。「一緒に遊びたいのに誘えない」という出来事にすると、表情や行動を絵にできます。問いは必ず文章で書く必要はなく、最初の絵から読者に感じてもらう方法もあります。

以下では、架空の例として「迷子の種を、育つ場所まで運ぶ主人公」を考えます。種がどこで芽を出せるかを芯にすれば、旅の途中に何でも足すのではなく、その問いに関係する出会いを選びやすくなります。

主人公の願いを行動にすると次の場面が生まれます

主人公が欲しいもの、困っていること、まだできないことを書き出します。その願いに向かって何をするかを決めると、出来事がつながります。性格の説明を長く書くより、誰かに頼む、立ち止まる、引き返すといった行動にしてみます。

種を運ぶ例なら、主人公は暖かそうな場所を探します。しかし、日差しがあっても地面が固くて根を張れないかもしれません。そこで別の場所を探す理由が生まれます。困難を増やすこと自体を目的にせず、行動の結果から次の場面を考えます。

主人公は人や動物に限りません。道具や植物が中心でも、どこに注目して読んでもらうかが分かれば構成できます。願いや成長を描かない観察の絵本なら、何を見比べ、何を発見するかを軸に置き換えられます。

くり返しには少しずつ違う発見を入れます

同じ言葉や行動のくり返しは、次を予想する楽しさにつながります。ただ同じ場面を増やすだけでは、話が止まって見えることもあります。場所、相手、返事、主人公の気持ちのどこかに変化を置きます。

種の例なら「ここで育つかな」という問いを重ねながら、乾いた場所、暗い場所、雨の届く場所へと移れます。そのたびに種に必要なものが見えてくる構成です。読者が先に気づける絵を入れると、文章にない楽しみも生まれます。

  • 同じ言葉をくり返すなら、絵で何が変わるかを決めます。
  • 同じ構図を続けるなら、小さな違いが見つかる大きさで描きます。
  • 最後にくり返しを変えるなら、それまでの流れから納得できる理由を置きます。

予想を裏切る展開だけが正解ではありません。予想どおりの言葉に戻って安心する結末も、その本の目的に合えば選べます。

ページをめくる前後の間で期待と発見を作れます

見開きは、本を開いたときに向かい合うページです。同じ見開きの中では、読者に絵が同時に見えます。答えを隠したいなら、問いと答えをめくる前後へ分ける必要があります。文章を改行するだけでは、ページをめくる効果にはなりません。

種の例なら、めくる前に主人公が何かを見つけた顔を描き、次で雨の届く庭を大きく見せる方法があります。反対に、庭と主人公を同じ見開きに置けば、読者と主人公が一緒に発見する場面になります。同じ出来事でも配置で感じ方が変わります。

めくる直前に説明を足しすぎると、次を見る楽しさが弱くなることがあります。言葉を止め、絵を眺める時間も「間」です。どこで声を止めたいかを書き添え、ページ割りで前後の関係を確かめます。

結末は最初の問いに応じて決めます

終わりでは、探していたものや主人公の行動がどうなったかを見直します。すべてを説明する必要はありませんが、最初の問いが置き去りになっていないかは確認します。種が育つ場所に着いたなら、最後の小さな芽で変化を伝えることもできます。

起承転結は流れを点検する方法のひとつです。すべての絵本に大きな転換や事件が必要なわけではありません。くり返しを楽しむ本、ものを見比べる本、静かな場面が続く本には、それぞれの進み方があります。

結末に教訓を付けたくなったら、その言葉を外して絵を見ます。主人公の表情や、最初と変わった風景で伝わるなら、読者が感じる余地を残せます。途中にない設定で急に解決していないかも確かめましょう。

読み聞かせでは子どもが見ている場所を観察します

お話がつながったら、簡単な絵と文章を並べて声に出します。読んでいて息が続かないところや、めくる前に答えを言ってしまうところに印を付けます。整った文章でも、絵を見る時間と合わない場合があります。

子どもに見せられるなら、途中で内容を説明しすぎず、指をさした場所、笑った場面、戻って見た絵を記録します。感想を正解へ誘導せず、読後に覚えている場面を聞く方法もあります。集中しなかった理由を、すぐ作品の欠点や年齢のせいにしないことも大切です。

反応から直す箇所を選び、文章の推敲やラフとダミー本へ戻ります。実際の読み方を確かめる進め方は読み聞かせの記事でも紹介しています。

ページの並びと、原画の大きさを確かめる

ツールで構想を形にしたら、依頼先の原画の作り方も確認しましょう。