この記事の要点
製本は表紙の硬さと本文の綴じ方を分けて考えます。少ないページでも上製本にできる方法があります。ページ数、紙、印刷方式によって選べる仕様が変わるため、見本の開き方を確かめて相談しましょう。
上製本と並製本は表紙の硬さや重さが違います
上製本は、厚い芯材を使った硬い表紙で本文をくるむ作りです。ハードカバーとも呼びます。贈り物として形を整えたい場合や、表紙の存在感を生かしたい場合に候補になります。ただし、丈夫さや重さは紙と綴じ方の組み合わせでも変わります。
並製本は、比較的しなやかな表紙を使う作りで、ソフトカバーとも呼びます。持ち運びや配りやすさを重視するときにも検討できます。同じ判型でも手に持った感触が違うため、想定する読者の姿勢で確かめてください。
表紙の硬さだけでは、見開きがどこまで開くかは決まりません。また、表紙の外側に巻く「カバー」が付いているかどうかとも別の区分です。表紙・カバーの記事と合わせて仕様を書き出します。
中綴じは薄い冊子に、センターミシンは少ない本文にも使えます
中綴じは、重ねて折った紙の中央を針金で留める方法です。薄い冊子や配布用の本を考えるときの候補になります。表紙も含めた紙の厚さや、折りと綴じに合うページ数を依頼先へ確認します。
センターミシンは、中央を糸で縫って綴じる方法です。過去作『ひかり』では、少ないページでもハードカバーにするために用いられました。本文を中央で綴じ、表紙を付ける構造が紹介されています。
『ひかり』は本文24ページの制作例です。少ないページだから上製本を諦める必要がある、とは限りません。一方、この実例と同じ作りがどの紙や判型でも選べるわけではないので、希望の本文量で対応できるかを尋ねます。
PURと糸かがりは見開きの開き方を見本で確かめます
PURは、本文を綴じるための接着剤の種類です。お手軽出版ドットコムではソフトカバー向けの製本として案内されています。糸かがりは、折った紙の束を糸で綴じ合わせる方法で、ハードカバー向けの選択肢です。
どちらも見開きが開きやすく、丈夫な作りを目指す方法です。ただし、完全に平らになることや、中央の絵がすべて見えることを保証するものではありません。ノドと呼ぶ中央の綴じ目には、重要な顔や文字を置かない方が確認しやすくなります。
同社の糸かがり綴じは、オンデマンド印刷では利用できません。少部数で印刷する場合は、希望する綴じ方と印刷方式を一緒に確認します。PUR製本・糸かがり綴じの案内には見本の案内もあります。
ページ数は表紙を除く本文で伝えます
通常の絵本は、お手軽出版ドットコムでは表紙を含めずに本文のページ数を数えます。扉は書名などを載せるページ、奥付は著者や発行に関する情報を載せる部分です。これらを本文に置くなら、その分も含めてページを割り振ります。
本文のページ数と、紙の枚数や物語の見開き数は同じではありません。紙の折り方や綴じ方によって作れる構成も変わります。文章と絵を完成させてから無理に増減するより、ページ割りの段階で相談すると調整しやすくなります。
紙が厚いほど同じページ数でも本は厚くなります。反対に、ページが少ない本は背が細く、背文字を入れにくい場合があります。見積もりには本文のページ数とともに、判型、紙、カラーの範囲も伝えます。
見返しは本文との境目として設計します
見返しは、表紙の内側と本文の間にある紙です。上製本では表紙と本文をつなぐ役割もあります。無地にする、色を付ける、絵を載せるといった希望は、製本の仕様と合わせて確認してください。
見返しに物語の重要な場面を置く前に、印刷できる面や費用、本文のページ数への数え方を尋ねます。本文とは別の紙を使う場合、同じ色を印刷しても見え方が変わることがあります。
見本を見るときは、最初のページを開く動き、中央の開き方、最後までめくったときの感触を確かめます。読み聞かせなら本を持ち上げて、手で隠れる範囲も見ておきましょう。子どもが自分でめくる本なら、小さな手でも開きやすいか、ページが勢いよく閉じないかも確かめておくと安心です。紙見本・資料請求から相談し、絵の見せ方に合う製本を選びます。