この記事の要点
厚紙絵本は、紙の厚さだけでなく加工と製本を含めて計画します。公開料金例は表紙・裏表紙を含む22ページです。角丸やPP加工は扱いやすさへの配慮であり、安全を保証するものとは区別して考えます。
厚紙絵本は乳幼児がめくる場面を考えて作ります
厚紙絵本は、厚い紙を使ってページを作る絵本です。乳幼児が触ったり、繰り返しめくったりする場面を想定するときに候補になります。通常の絵本の本文用紙を少し厚くすることとは、作り方が異なります。
ページの端をつかみやすいか、開いた本が重すぎないか、絵が指で隠れないかを考えます。読者が小さいから判型も小さくすればよいとは限りません。大人が支えて見せる場合と、子どもが触る場合の両方を見本で試してください。
物語の構成では、身近なものや繰り返す動きなど、めくる楽しさにつながる場面を考えます。細かい説明を詰め込むより、見せたいものが分かる絵の大きさと、声に出して読みやすい言葉を確かめます。
全ページのPP加工と角丸は仕様を確かめます
PP加工は、印刷面に薄いフィルムを貼る加工です。お手軽出版ドットコムの厚紙絵本の公開仕様では、表紙と本文の全ページに使われています。表面の扱いやすさに関わりますが、破損しないことや、水に浸しても問題がないことを示すものではありません。
角丸は、紙の角を丸くする加工です。本の角が当たったときの刺激を和らげる構造に配慮するために使われます。角丸やPP加工だけで、乳幼児がどのように使っても安全だと判断することはできません。
どの角を丸くするのか、文字や絵が切れないかを仕様図で確認します。仕上がりの角に近い場所へ目や口、文字を置くと、加工によって見え方が変わる場合があります。見本の手触りと端の状態も確認しましょう。
公開料金例は表紙を含む22ページの仕様です
公開されている仕様は「縦196×横185mm(小口2か所角丸)・22ページ(表紙・裏表紙を含む)・表紙と本文フルカラーPP加工」です。通常の絵本で使う「表紙を含めない本文のページ数」とは数え方が異なります。ここでいう22ページには、表紙・裏表紙を含みます。
| 部数 | 税込料金 |
|---|---|
| 100部 | 921,580円 |
| 300部 | 996,490円 |
| 1000部 | 1,112,540円 |
料金の注意点は「スキャニング・レイアウトなどの費用は別」です。原画を画像にする作業や、文字と絵を配置する作業を頼む場合は、必要な費用を別に確認します。厚紙絵本の案内に希望する原稿の状態を伝えましょう。
この表を別の判型やページ数の価格へそのまま当てはめないようにします。表紙、物語、書名を載せる扉、発行情報を載せる奥付をどこへ置くか決め、各面の役割が分かるページ割りを作ります。
過去作『あかちゃんいるよ!』は厚紙と角丸の実例です
過去の制作例の『あかちゃんいるよ!』は、A5判変型の厚紙製本です。本文に厚さ1mmの厚紙を使い、開いたときの角を丸くした構造が紹介されています。イラスト制作と印刷を手伝った作品で、原画にはアクリル絵の具が使われました。
この過去作の仕様欄には16ページと記載されています。現在の料金表にある、表紙・裏表紙込み22ページの例とは別の仕様です。ページ数の表記だけを比べ、同じ構造や価格になると考えないようにします。
参考にしたいのは、厚紙、角丸、絵の見せ方を組み合わせている点です。手元の原画で同じ印象を目指す場合も、紙の厚さや加工を指定する前に、どのような年齢の子がどう読む本かを説明すると相談しやすくなります。
原画を仕上げる前に各面と加工範囲を決めます
厚紙絵本では、表紙も物語の入口として使います。表紙から最初の場面を開き、最後に裏表紙を見るまでの順番を、小さな見本で確かめます。ただし、手作りの見本では本番の厚さや開き方まで再現できないため、製本の見本も合わせて確認してください。
端まで絵を置く場合は、仕上がりの外側にも絵を描く「塗り足し」が必要です。角丸や綴じ目も考慮して、重要な絵と文字を置ける範囲を依頼先へ尋ねます。原画の描き方を参考にしつつ、厚紙製本に合う指示を優先します。
最後に、原画の取り込み、色校正、納品後の保管場所まで含めて見積もります。一般的な少部数出版の条件が厚紙絵本にも同じように適用されるとは限りません。希望の部数と仕様をまとめ、完成までの予定も一緒に確認しましょう。